新NISA(少額投資非課税制度)は、2024年から始まった新しい投資制度ですが、いくつかの「落とし穴」や注意点があります。以下のポイントについて詳しく解説します。
📌 落とし穴①:投資枠の再利用ができない
🧐 問題点
新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、それぞれ年間の投資上限額が決まっていますが、一度使った枠は売却しても復活しません。
例えば:
- 2024年に成長投資枠で120万円分の株を購入。
- 2025年にその株を売却して現金化。
- しかし、2024年に使った120万円の枠は戻らないため、2025年に新たに投資できるわけではない。
🔹 対策
- 長期で保有する銘柄を慎重に選ぶ
- すぐに売却する可能性のある投資はNISAではなく、特定口座で行う
📌 落とし穴②:ロールオーバーができない
🧐 問題点
旧NISAでは、非課税期間が終了する際に、新たなNISA枠へロールオーバー(枠の持ち越し)ができましたが、新NISAではこれができません。
例えば:
- 旧NISAで保有していた株や投資信託の非課税期間が終了すると、新NISA枠を使わない限り課税口座へ移動される。
🔹 対策
- 旧NISAで保有している資産の売却タイミングを計画的に考える
- 必要に応じて新NISAの枠内で移し替える
📌 落とし穴③:配当金や分配金の課税
🧐 問題点
NISA口座で受け取った配当金を「課税口座で受け取る」と、税金(約20%)が引かれる可能性があります。
例えば:
- NISA口座で購入した株の配当金が年間10万円
- 課税口座で受け取ると約2万円の税金が発生
🔹 対策
- 「株式数比例配分方式」を選択し、NISA口座で直接配当を受け取る
📌 落とし穴④:制度の変更リスク
🧐 問題点
NISA制度は政府の方針によって変更される可能性があります。特に、以下の点に注意が必要です:
- 非課税期間が今後短縮される可能性
- 投資対象が変更される可能性
- 税制優遇が見直される可能性
🔹 対策
- NISAに依存せず、他の投資手段(iDeCoなど)も活用する
- 政府の発表を定期的にチェックする
📌 落とし穴⑤:損益通算ができない
🧐 問題点
NISA口座内の損失は、他の口座(特定口座や一般口座)と損益通算ができないため、損をしても税金が還付されません。
例えば:
- 特定口座で+50万円の利益
- NISA口座で−30万円の損失
- 損益通算ができないため、課税対象は50万円の利益
🔹 対策
- 損失リスクの高い投資はNISAではなく特定口座で運用
- 損失が出ても長期保有で回復を狙う
🖼 イラスト:NISA口座の損失と特定口座の利益が通算できない図
まとめ
落とし穴 | 問題点 | 対策 |
---|---|---|
投資枠の再利用不可 | 売却しても枠が戻らない | 長期投資を意識する |
ロールオーバー不可 | 旧NISAからの移行ができない | 売却タイミングを慎重に |
配当金・分配金の課税 | 受け取り方によって課税される | 「株式数比例配分方式」を選択 |
制度変更リスク | ルールが変わる可能性 | NISA以外の投資も検討 |
損益通算不可 | 他口座と損失を相殺できない | NISAでの投資対象を慎重に選ぶ |
💡 NISAはメリットが多い制度ですが、事前にしっかり理解し、計画的に運用することが重要です!